キャリバーが他の格ゲーに比べ一線を隔している理由の一つにガードインパクトの存在がある。
相手の攻撃が来るタイミングがわかってさえいれば、相手の出す技が『投げ及び上段』か
もしくは『下段』かを読み勝つだけ(中段であればどちらでも捕れる)で容易に攻勢を逆とすることができる。「判っていても避けれない単調な戦術」という非常にストレスの溜まる立会いは、キャリバーにおいては成立しない。判っていたら捕れるのだ。
また、インパクト後の確定反撃が存在しない点も素晴らしい。インパクト返しの存在によって、そこにゲームに限らず元来の対人対戦の始原であり究極の目的である無限の読み合いが産まれる。
そこに付随するインパクトを空振った時の隙もこれまたすばらしい。メリットとデメリットの同居により敵が自ら隙を作るという一見矛盾した行為が、従来の格ゲーにおいてなんらその存在意味を見出せない「発生の遅い技」、その一連の技群に有り余る価値を与えたのだ。なんという聡明で賢明なシステムであろうか。拍手。強制拍手。
ゆえに、ガードインパクト成功時には、流動的に変化する自らの状況に合わせて、ダメージ効率・リングアウト・位置変換・はては相手のモチベーションなどなど、まさに状況に応じて総ての技に意味がうまれる。
それを的確に判断し、状況に見合った手段を行使できるようになって初めて、キャリバーというゲームは真の評価を受けるのだと思うのだ。
てなわけで、
インパクト成功時にダメージ効率を望んだ場合のシャンファの行動それぞれ。
○最速行動の場合
基本は3Bからの空中コンボでOK。
また、AAもしくはBB(ノーマルで2ヒットする)による相手を寝かせないまま攻勢を維持する手もアリである。多段ヒット系なのでその後のイニシアチブもとりやすい。
○対インパクト返し二択の場合
上中段インパクト返し(前パク)に対する下段の選択肢は、ノーマルヒット時の有利フレームが最も高い酔鶏脚(スイケイキャク)1K(下)がその後の攻勢を維持しやすい。遅攻め時に使う鶏紿霖潦鐘(ケイタイリンロウショウ)1kAA(中・中中)ともあいまって攻めのノリを失いたくない時にお勧めする。
確定ダメージの高さで言えば翻掃脚(ホンソウキャク)3AK(下・上)。無論ノーマルヒットとなるため追加入力のK部分はキャンセルしたり出さなかったりして立ち・しゃがみ状態を使い分け、追撃を狙おう。1発目をヒットさせてしまえばこちらが有利なままなので
これも攻勢を維持できる。ただ、立会いでも多用する技の為 モーションを盗まれやすい。上記の酔鶏脚(スイケイキャク)、進跼掃(シンキョクソウ)1A(下)などを混ぜつつ相手のラーニングを妨害しよう。
○中下段インパクト(後パク)返しに対する上段の選択肢
・・・であるが,残念ながらシャンファは確定で大ダメージを与える上段始動の技を持っていないため各種投げと芳躍斬(ホウヤクザン)66A(上)しか頼れるものが無いのが現状である。攻勢を維持するという意味合いでは紅刹斬(コウセツザン)6A(上)という手も無くは無いが
いかんせん確定部分のダメージが安すぎる。AA
もしくは洸羽斬(コウウザン)6以外ラン中A+B(上)を入れ攻勢を維持するか、もしくは確定で芳躍斬(ホウヤクザン)を当て仕切り直しとするか
開き直って二択の投げ抜けを読み勝ち起き攻めを狙うかは気分次第と言ったところだろうか。
ちなみに、出の速さ的には相手のインパクトを誘発させる部類となるが、もっともダメージが高く、かつヒット後の状態が良い上段技として翻羽斬(ホンウザン)G9A)と乖遊瑟麗歌剣(カイユウシツレイカケン)4・6方向ラン以外B+K・B)の二つが上げられる。ダメージ値は麗歌剣(レイカケン)の方が高く、ヒット時に相手が仰け反るため攻勢を維持しやすい。また、翻羽斬(ホンウザン)はヒットすれば相手を強制的に左向きにするため大きく有利になる。ここからの攻めは22方向入力Bの乃遊祇(ダイユウシ)で振り向き攻撃を無効化し完全に背後をとるか、もしくはガードorステップで逃げる相手には3Aの己屈掃(キクツソウ)で固める(ぎりぎり剣先が届く間合いなので追加入力のKは入らない・・・入力しないかもしくはGキャンして攻勢を維持しよう))かの二択を迫ろう。
ちなみに上記2つの技は発動前のフェイント効果(翻羽斬はジャンプモーションだし麗歌剣はいきなりくるくる回る)が大きいので
相手のインパクト返しを誘発させてヒットする確率はかなり高い。
○インパクト返しを誘発させる場合の行動
モーションの大きさと技の出の遅さがここでは武器になる。
インパクト後にGを押しながら2から3に入れてしゃがみ状態を作り
そこからBを押して出す紗拍(シャハク)、及びこれからの空中コンボが最もダメージが高い。が、
かなりさりげない動きになるためフェイント効果がイマイチ。
この場合、璃拍劈(リハクヘキ)6B+K(中)はフェイント効果も高く、ノーマルヒット時でもダメージが高いため積極的に使って構わない。ヒット後は相手が崩れるため3Bの追い打ちが確定するほか
各種様々な追撃(前記の最速しゃがみからの紗拍(シャハク)や華衛鐘(
カエイショウ)bKB(中中・中)を使った出しきりor途中止めによる確定追い打ち→起き攻め、などがお勧め)が可能なのでダメージ効率が高い。
また、鶏紿霖潦鐘(ケイタイリンロウショウ)1kAA(中・中中)であれば連続ヒットでまずまずのダメージの上、連携の初弾であり
かつヒット後も有利なため攻勢を維持できる。おすすめ。
香屈刺(コウクツシ)aBもAをキャンセルして出るのでフェイント効果はそこそこ高い。ヒット後は3B+Kが入るのでダメージ効率もまあまあ。
お勧めしたいのは遊歩瑟(A+K)と
そのホールドからの遊歩灼明剣(ユウホシャクメイケン)で、フェイント効果が高いためヒットしやすくダメージも高い。またガードされてもブレイク効果で振り出しに戻せるので
この技に慣れてない相手に使うとエターナルブレイクという地獄を味あわせることができる。
また、ステップ それ自体もフェイントとなり得るため、リング際では8ステップからの側面投げやステップに似た挙動をする尚明剣(ショウメイケン)66A+B(中)などをつかって華麗におっことそう。
ちなみに、インパクト成功時に螢羅律(ギョウラリツ)4A+B(中中)を入力すると、この技は初弾のリーチが極端に短いため高確率で一段目を空振りしてしまう。しかしこの空振効果が絶大で、思わずインパクト返しを行った相手に対し続く2段目が見事にぶち当たりシャンファ最大のふっとばし能力を存分に賞味していただくことができる。2段目のみのヒットとなりダメージは低い(でも3Bより高い)が、相手が少しでもリング(&壁)を背負った状態でインパクトに成功した場合、狙ってみる事をお勧めする。
なれた相手であればあるほど、こちらの技を目視してから確実にインパクト返しを行ってくる。
そのような相手に対してはBをGキャンセルすることによりインパクト返しを空振らせ、即座に3Bで打ち上げてあげよう。
○インパクト性能を持つ技
意外な感じもするのだが、シャンファは インパクト属性+確定反撃効果のある技をほとんど持っていない。
システムの性質上使いこなせれば大きな戦力となるハズであるのだが、これがけっこう使いずらいのだ。
螢羅律(ギョウラリツ) 4A+B
中・中
前作では1発目のあまりのリーチのなさに活躍の場は捌き後のリングアウト狙い位だった技。ただ、1発目さえ当てればノーマルでも連続ヒットとなり、シャンファの技の中で、単体ヒットでは最大級のダメージ&最大級のふっとばし能力を有する。今回の『横を縦で打ち負かせる』というシステム変更、及び、この技自体に対横上中段へのインパクト属性が付加されたため、確定で活躍の機会が増えた。
1段目が相手に当たる距離まで接近すれば、ステップとこの技の二択で効率のいい攻めが展開できる。また重要なのは
上記の通りフルヒットでのダメージ量は最大級なので相手がうかつに横斬りを出せなくなるという点。相手がガードしがちになればシャンファはますます調子に乗れる。これで璃拍劈(リハクヘキ)&壮隆詠(ソウリュウエイ)Gキャンセルや遊歩瑟(ユウホシツ)A+Kで
相手のふところに潜りこんでからのガチンコがまた楽しみを増した。こういう重戦車のごときシャンファもまたいいではないか。
でも、なんだかんだ言って もっぱらリーチがなくてやっぱり出は早くない(よく攻撃判定が出る前に潰される)ので通常の間合いでの使用は控えた方が無難だ。多段縦斬りなので軸もずれやすいし。
ただ、厳密に言えば1段目の発動直後は出している左足を左奥に引っ込め体ごと若干左側へ移動するので、相手の突き及び2K系統の下段を見切ればあるいは
通常立会い時のヒット率は上がるかもしれない。また それができれば大きな戦力となるだろう。
さてその後、この技のとてつもない性能が判明したのでお伝えしよう。
この技のインパクト属性だが、実は下段以外のすべての横属性攻撃に対応している。つまり恐ろしいことに横斬りも横蹴りも横属性特殊中段も…そして投げすらも捕れるのだ(投げを捕った時には思わず声を上げてしまった)。また、凄まじいことにインパクト判定は技入力直後(恐らく1フレーム後)に瞬時に発生するためどのような局面においてもたえず狙うことができる。
ただ、インパクト判定フレームがこれまた一瞬(おそらく2?3フレーム)で消失するため、結構シビアな入力を必要とされる。通常ガードインパクトのタイミングでは早すぎるため攻撃の微妙に遅いキャラクタに対してはかえって使いづらい。ギリギリまでひきつけて出すことを意識しないと潰されがちだ。
しかしながらインパクト判定が瞬時に発生することを利用して、見て捕れるくらい慣れてくるとシャンファのダメージ効率が激変する。なにしろ8ウェイランを止めようと軽い気持ちで出したAに合わせるだけで『最大級のダメージ&最大級のふっとばし能力』。ちょっと攻撃の起点を作ろうかと軽い気持ちで出した2Aに合わせるだけで体力の4分の1を確定で奪い かつ璃拍劈(リハクヘキ6B+K)による追い撃ちの可能性(決まればダメージ値約90。体力の3分の1)および変化による攻勢の維持、そしてリングアウトを狙うことができるのだ。連続ガードではない横系統連携にも楽勝で割り込める(ってゆーか通常の立会いよりもこっちのほーが捕りやすい)。
当然、ラン中にこの技を出す場合にはいったんレバーをニュートラルに入れなければならないのだが この間がまたいい具合にギリギリでちょうど良く、またソウルチャージ中であれば通常技によるキャンセルがかかる(ラン中であっても通常技が出る)ので 突き詰めれば相手は2Kクラスの下段の間合い外でのシャンファの8ウェイラン及びソウルチャージを止める術が無くなる。
この技、インパクト判定の発生は早いが、その後の攻撃判定の発生は遅い。当然しくじればアタックカウンターを確定で喰らうリスクを常に背負っている。攻防の刹那を見切れる者にのみこの技は真価を発揮し、最強の返し技としてシャンファにゆるぎない強さを与えてくれるだろう。
乖香韻(カイコウイン) bAA
中・中
剣を頭の上でぐるぐる回した後、おもむろに相手のおなかをぷすっと刺す技。ぐるぐる廻してるモーション中に対横上段のインパクト性能があるのだが、シャンファは上段をスカして反撃する技を多量に持っているので全然頼らない。ただ、ヒット後の状態はかなりよく、その後の2段目の中段横斬り(連続ヒットになるかどうかはかどうかはかなり微妙)と一発止めの選択肢から、派生するバリエーションは数多く考えられる。2段目が相手にヒットした場合の状況も中々いい感じなのだが。ってゆうか、まず普通に出しても1段目自体がヒットしないが。
また、この技と似た感じの香屈刺(コウクツシ)aBともども、一歩前に踏み出すわりにホーミング性能は皆無でありステップされると長大な隙ができる。明後日の方向を向いて連携の横斬りを振り出す様は見ていて涙を誘うので限定条件下(インパクト後・相手受身後)以外でこの技を出すのは控えた方がいいと思う。
乖遊瑟(カイユウシツ)4・6ラン以外B+K
縦横関係無く上中段インパクト属性をもつ。ほぼ前方インパクトと同じ性能のため一連の技の中で最も使用頻度が高い。基本はガードインパクトをとっさに出しずらいラン中の上中段用反撃代用品という位置付けだが、インパクト判定の持続時間が通常のガードインパクトより格段に長く
ちょっと早く出しすぎてもギリギリ捕ってくれることがままあるため 通常の立会いでも先行入力を使えば十分に使用(ハッタリ指数も高い)できる。また、インパクト成功後は捌きと同等の状態となるため相手の上段を捌き状態にする唯一の手段でもある。
さらにBの追加入力で出る麗歌剣(レイカケン)は上段ながらインパクト未発動でも出すことができるため、確定反撃という使い方以外に空振りのフォローとして役に立ち、相手の反撃を限定する。乖遊瑟自体のモーションがくるくる回って大げさなので反撃の瞬間誘惑指数はかなりのものらしく、今の所よく当たってくれる。多分、俺も当たる。
麗歌剣自体は騎昂楽(キコウガク)立ち途中A+B・Bの3段目に酷似した上段突きであり、当たれば相手は後ろに仰け反るようなヒットモーションになるので追撃はしやすい。カウンターヒットでそのまま倒れるが
まず大概の人はその間Gを押して受身をとってしまうのでA+Kホールドの仕込みポイントとしても優秀といえる。
乖遊瑟(&麗歌剣)に派生する技は以下の通り。
麗乖瑟(レイカイシツ)AA8or2。鳴旒唱(メイリュウショウ)66KB8or2。璃拍劈(リハクヘキ)B+K8or2。鼓燕剣乖遊瑟(コエンケンカイユウシツ)9or3ラン中KA・B+K。
このうち鼓燕剣以外のからの派生はキーを上か下かに入れるだけで発動(その技の攻撃判定は失う)し、また
任意の場所にわずかだが軸をずらす性質をもつ。鼓燕剣乖遊瑟(コエンケンカイユウシツ)9or3ラン中KA・B+Kはちょっと特殊なようで、飛びかかり上段横斬り攻撃後に乖遊瑟動作を行うため
追加のB入力である麗歌剣までが一連の技のように流れる。未確認だがこの場合の乖遊瑟は上段しか捌けないらしい。
基本的に各技からの乖遊瑟分岐は 初心者相手には通用しない。効力を知らない相手に使ってもプレッシャーとはならないからだ。逆を返せば、なれた相手であればあるほどここらへんの技の重要度は増してゆく。特に璃拍劈(リハクヘキ)関係の乖遊瑟はGキャンセルのその先にある読み合いに役に立ってくれるだろう。また、麗乖瑟(レイカイシツ)AA8or2を使えるようになれば
あなたの(そして相手の)腕は相当なものだ。
希芳瑟(キホウシツ)66B+K
おもむろに剣を頭の上でぐるぐる回す技。横属性上段へのインパクト性能があり、乖香韻(カイコウイン)の出はじめをそこだけ単体で出す感じ。
シャンファにおけるほぼ総ての技にはなんらかの役割があり、まったく使えない技(前作における奏曲(ソウキョク)B+Kとか)というのはそうは無いのだが、この技だけは前作から使えない。使い方がわからない。存在意義が見当たらぬ。誰か「これだ!!」という活用法があったら教えていただきたい。
ただ、ある程度の相手にこの技をいきなり出すと、心意をはかりかねて一瞬動きが止まる。でも硬直中〜。
さて、長らく役立たずだと言われ続けたこの技にも汚名挽回するチャンスが生まれてきた(挽回するのは名誉…by溝口危機一髪)。希芳瑟(キホウシツ66B+K)中にAを押すと例のあちょー飛び横斬りが出るようになったのだ。当然のことながらインパクトが発生しさえすればよほど離れてない限り確定ダメージになる。あちょー飛び斬り自体の性能も悪くないのでセットで入力してしまうのが一番手っ取り早い。
また、密かに投げに対してもインパクト属性(持続時間も通常インパクトに比べ若干長い…ような気がする)があるので 前ダッシュ中のとっさのインパクト代用品としても使用が可能だ。
下積み生活が長かった分、使ってやりたい気分にさせられる人情的な技といえよう。
乖退瑟(カイタイシツ)44B+K
剣を左右に捌きながら後退し、そのモーションに対縦上中段インパクト属性を持つ。バックダッシュと同じくらいの速度で後退動作を行うため
時間切れでの勝利を狙う場合には出しておくといいかもしれない。でもなー、ふつー逃げる相手を縦斬りで追うか〜!?。希芳瑟(キホウシツ)とインパクト性能逆じゃねーのかなー?
逆だったら両方共に存在意義が見出せるのにな〜。
そういった訳で、この技もあんまり使いでがない。
搦引(ジャクイン)
進彩楽(シンサイガク)66BB&紅躍刺(コウヤクシ)44B後に4入力で出る対縦上中段インパクト属性をもつフォロー技。ヒット・ガードを問わず
リズムが乱れてしまうので通常の立会いで使うことは無いが、前記の二つの技が相手にめり込んでガードされた時に何となく入力すると
B系統で浮かせようと目論む欲深さんをインパクトに捉えることが出来る。
まあ、後ろに下がりながら受け付け時間の長いインパクト動作を行うので
基本的に前記二つの技のリスクは低いとも言える。ただ、技の終りまでのモーション自体が長いため、速い時点で相手の反撃をインパクトに捉えても技の途中&間合いが離れていくためほぼ仕切り直しの状態に近くなる。比較的攻めこみやすくはあるが。
ちなみに、両技とも自動二択(?)の属性を持ち、ガードされた場合のみ搦引(ジャクイン)は発動する。ヒットしていればキーを入れていても搦引は発動しない。
ただ、進彩楽(シンサイガク)66BBは一発止めでもこの技に移行でき その際はヒット・ガード関係無く4方向にキーを入れれば搦引が出る。